2014-01-01から1年間の記事一覧

20歩の逸脱

いつもの出口から駅を出た。改札を出て真っ直ぐバスロータリーへ。これもいつも通り。雨は上がっていたが次のバスまで15分もあった。いつもならそのままぼんやり突っ立っているのだが、寒くて仕方ないので引き返し、駅の別の出入り口になっている本屋へ入っ…

what a small world (in my pan)

夕飯は慢性的に鍋を食っている。居候がいたとき、来る日も来る日も仕事から帰ると鍋でない食事が作られていることにキレて追い出した。悲しい思い出だ。「俺は毎日鍋ばっか食いたいんだよ!」近頃はたえて来る人もないので、安心して来る日も来る日も鍋を食…

良い天気だ、こんな日に

俺に宿題を出すなんて、冷蔵庫に洗濯物をしまって安心するような事態だという理解が足りない。或いは買ってきた野菜を洗濯機にしまう、或いは宿題を冷蔵庫にしまって安心するような事態だという理解が。安心するな!理解しろ!宿題を洗濯機で洗うな。俺に洗…

フランツ・カフカ・キャッスルランド

入場するなり捕まったり虫扱いされたりする。実質的軟禁型のテーマパーク。運良くゲートをくぐったそこが見世物小屋の檻の中であったりしなくても、なんとなくあるらしい中心部にはやはりなんとなく辿り着けない。来場者はみな"K"と呼ばれ、慇懃に扱われる。…

1118

もう写真が貼れなくて気落ちした。次からはすべて小さくする。風邪のまま日月と仕事、火曜早あがり。薬も効いてたので川へ。このところ風が強い。時間があるときは、場所が決まってもすぐ描かない。弁当でも食べながらぼーっとする。そのために昼に食わない…

1114

昨日の妙な寒さが伏線、きっちり回収して風邪。川べりは寒すぎると気づき公園へ逃げた。風の当たらないベンチとはまったく快適なものだ!

1113

とても寒かった。近所の川沿いにはセンダンが多い。枝ぶりは分かり良いが、葉のつき方は脳味噌が捻挫する。

視覚矯正/死角嬌声

何を描き何を省くかの判断。そこには描くことの何かがある、見ることの何かがある。ひょっとしたら暮らしもおんなじじゃないか?俺のはどっちもえらい省きようだ、よく見えてもいないのに。見えないから省く、というのは簡明だがそれで良いのか。よく分から…

1111

仕事とスケッチの帰り、バスから降りた暗い歩道。前のおっさん達がなんかつっかえてて死ねと思ったら、脱いだジャージを自転車前輪のブレーキに噛ませた子供が立ち往生していた。懐かしい問題。俺車輪回すからそっち引っ張れ、いやそっち違うやろ。小2くらい…

追悼番組

今日はひどく眠かった。仕事が終わるともう暗すぎて、川のスケッチは諦めた。帰るなり布団をかぶった。テレビでは紳助の追悼番組がやっていた。上岡龍太郎がしんみりと紳助に語りかけてるのを聞いてるうちに、臭い演出だと思いながらもつい涙が出た。気がつ…

眠前に

今日も途中から釣り人がやってきて目の前に陣取った。次はそいつも描き込むだろう。明日はまた宇治川に行くだろう。もうじき寒くて外で描けなくなる。もっと調子の幅を絞ること。

眠前に

降ることは分かっていたが、スケッチに出た。近所の禅寺の参道をふらふら抜けたら国道、それを少し北へ。目当ての川沿いにはギター少年。以前描いた田圃場の農道を鼻歌まじりに抜け、高速の高架をくぐったところはひなびた農地だった。まだ場所選びやフレー…

眠前に

今日はスケッチに行けなかった。気が塞ぐ雨模様の空よりも、強いて閉じる瞼のほうが眩しい。

間抜け、秋を行く。

起きてみれば良い天気だった。折角のロードバイクに長く乗ってなかったので、スケッチがてらサイクリングに行くことにした。目的地は生駒山の中のある集落?だった。誰もいない、ひなびた道路がストリートビューに映った瞬間そこに決めた。目的地を選び、家…

毎夜

細心の注意をはらってすべての灯を消してくらくなってから目覚まし時計をさがして手探りでさがしていや明日は早起きなんかすまいと思って放り投げてそれでも毛布はかぶってやっぱりもう一回探してそれは細心の注意であとは誰かに任せて明日の僕に任せて

不毛な無毛の話(俺は無一物と無一文の区別がつかない)

苛々するとバリカンを取り出して頭を丸める。何ミリとかそんなアタッチメントはつけない。本当は剃り上げたいくらいだが、面倒だし、痛いし、切り傷なしにはすまないのでバリカンで青くしている。坊主頭は19の頃に失恋して長髪をやめてからの習慣だ。生え際…

水溜まりを海と間違えて飛び込む奴は、頸をひどく捻ればいい。

くだらないことを言う。贅沢は言わない。ただ、だだっ広い時間が欲しい。それがほとんど唯一のぜいたくだからこそ、海でも眺めるようにしてぼんやり時間を眺めていることは、これほどかたく禁じられているのだろうか。それにしても、人にそれを禁ずる奴らは…

車中睡断靠

何度も眠りそうになりながら働いた。電車で珍しく座れた。ウトウトしたら両隣の男たちも眠りこんでいて、そのどちらもが、崩れるようにもたれかかってきた。なぜか同時に。突然、おっさんの肩肉に挟まるおっさん。おっさん→おっさん←おっさん。立ち上がる気…

二重の不幸、あるいは無能力

後悔は徳ではない。すなわち理性からは生じない。むしろある行為を後悔する者は二重に不幸あるいは無能力である。ースピノザ『エチカ』定理54失態というか、ついてないというか。何年かに一回、こういうのをやらかす。19の時のバイク事故、俺の過失、相手は…

俺の部屋は燃えないんだぜ

俺の部屋には白いゴムの防炎シートが敷いてある。絵の具や墨が畳に付かないようにだ。掃除機に吸いついて苛々するから鋲で端を止めてある。ブルーシートよりも随分高かったが、あの青いのを敷いて日常生活をおくるのは無理だと思ったんだ。そのうち青空や雨…

王子と乞食

小学校にあがった年の誕生日の夜、父が仕事帰りに買ってきたのは何冊かの本だった。誕生日こそは、ほかの子たちとおんなじにファミコンがもらえるのだと信じていたのに。彼は泣きたいくらいだったが、父の贈り物を喜ぶ振りをした。うわー、ありがとう!翌日…

こどものころと、こどものことと

当初、勉強はできた。計算の必要ないものに限って。算数は繰り上がりのある足し算で躓いた。10歳くらいのとき、家で毎日読まされるお経の漢字の羅列が、幼稚園のころに読まされた仏教えほんのストーリーの一つであることを突然理解した。得意になって、教理…

ウヰスキー幻想

甲「ねえきみ。世に言う"趣味の洗練"ってやつは、その趣味が分不相応の場合、不平の元でしかない。下手に良いものを知ると、安物のアラが目立って耐えられなくなるからね。そう考えると趣味の粗野さというのは、貧する者にとっては、生き抜く為の、ある種の…