2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

徴はいたるところに

俺は呪われている。呪いによって俺は死ぬだろう。呪いから逃れる術はない。呪いの届かない場所はない。その証拠には、呪いの徴(しるし)がいたるところにある。灰皿のなかに転がる吸殻。コップにささる歯ブラシ。昨日脱いだままのズボン…かつてあったものが、…

人間と相似形をなす宇宙に反対する。

1.人には、祈るしかないという局面がたしかに存在する。ごく稀に誰かのことを案ずるときにそう思わされる。がんらい物事はあっさり諦める性質だから、自分の事で祈る事はあまりない。(本当にそうか?)さて置き、祈ることや信じることこそが、人間を人間たら…

死にゆく鹿のために

くたばる 山の中、不具の鹿分かっていたこと 遅かれ早かれ 潤んだ眼玉が最後に残った虚ろで生臭そうな血走った眼玉そこから開ける視界が何かを見つめる意識がもしも鹿に残されたとしてそこに神秘はあらわれるか哀れな鹿を救い給うか 木の根、土くれもはや伸…