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クリスマス、知らないひとから白菜を貰う

スーパーでいつものように目に付いた白菜をカゴに放りこんだら、「ニイちゃん、待て!」とでかい声で呼ばれた。地産品コーナーに野菜を卸してる農家とおぼしい婆さんだった。たまに呼吸機を引きずってる爺さんと野菜を並べてるのを見かける。俺はそこの野菜をよく買うが、べつに話した事はない。
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イヤホンを外して、なんすか?と返すと、「これ、1日しか経ってへんけど捨てるヤツや。芽のとこがすぐ膨れてくる、そしたら売れん。わざわざ買わんとこれ持って帰れ!」とやっぱりでかい声で言う。婆さんの持ってる半玉の白菜はたしかに古そうに見えたが、なんだか勢いに気圧されて、おおきに、ほな頂きますー、と応えた。「ここにこうやって隠しとくからな!」婆さんはでかい声で言った。はいい、ちゃんと頂きますから。
他の食材の会計を済ませた後、入り口のレジカゴ置き場の下の隙間に押し込められた白菜を拾いに戻った。地べたに裏返しの白菜があるというのはある意味新鮮な眺めだったが、当のものはやっぱり古くて、切り口は茶ばんでいるし、芯のビニールが当たるところからは茶色い汁が出てきてた。もちろんありがたく頂戴して店を出た。
俺は昨日も今日も明日も、去年も今年もたぶん来年も、ずうっと鍋ばっか食ってる。白菜からすればお誂え向きの人選だし、俺からすればとても実質的なクリスマスプレゼントだ。ありがとうよ、婆さん。