水溜り

些細のことでその日の残りを捨ててしまいがちだ。

自分が飲む酒のほとんどがその手っ取り早い手段にすぎないと気づいてからは、とりあえずひとりでは飲まないように、どちらかといえば、あるべき望ましい姿勢としては、程度には気をつけているけれど、酒みたいなものはあれば飲むし、飲めばなくなるし、なければ買いに行く。夜中、雨のなか、まったくほんの些細のことで。

でも考えてみたら、そうしたくなるような事どもなんてのは、僕がずっとひとりきりでいたのなら、はなから起こるはずのないことばかりだった。

水たまりを跨ぐ。

自由意志とはなんなのか。存在するのか。自分にそれを見たことはない。

酔ってもひとりなんかじゃない。

心強い。まったく。