日記

毎夜

細心の注意をはらってすべての灯を消してくらくなってから目覚まし時計をさがして手探りでさがしていや明日は早起きなんかすまいと思って放り投げてそれでも毛布はかぶってやっぱりもう一回探してそれは細心の注意であとは誰かに任せて明日の僕に任せて

車中睡断靠

何度も眠りそうになりながら働いた。電車で珍しく座れた。ウトウトしたら両隣の男たちも眠りこんでいて、そのどちらもが、崩れるようにもたれかかってきた。なぜか同時に。突然、おっさんの肩肉に挟まるおっさん。おっさん→おっさん←おっさん。立ち上がる気…

二重の不幸、あるいは無能力

後悔は徳ではない。すなわち理性からは生じない。むしろある行為を後悔する者は二重に不幸あるいは無能力である。ースピノザ『エチカ』定理54失態というか、ついてないというか。何年かに一回、こういうのをやらかす。19の時のバイク事故、俺の過失、相手は…

こどものころと、こどものことと

当初、勉強はできた。計算の必要ないものに限って。算数は繰り上がりのある足し算で躓いた。10歳くらいのとき、家で毎日読まされるお経の漢字の羅列が、幼稚園のころに読まされた仏教えほんのストーリーの一つであることを突然理解した。得意になって、教理…

師走らしい帰り道で

平日の仕事が年末の山を越えて、早く帰ったりできるようになった。帰り道、大きな国道の街路樹の剪定に出くわした。日はいくらか傾いてた。5〜6mほどの小さなイチョウに3人もの作業員がかじりついている。そんなのが何本も、尋常でないせわしなさで。彼らが…

眠前に

悲鳴への罵声。既成事実としての新しい秩序。明朗にして快活な脅迫。無数にある、たった一つの上手いやり方。無内容な号令。可塑性のある過去。にやけ顔の弁明。訳知り顔の沈黙。読経。痴れ者じみた説教。分別くさい嬌声。高らかな告白。止まらぬ咳、打ち鳴…

非自発的朝型生活

理由はよく分からないが、日に日に目覚めが早くなる。最近は遅くとも4時台には起きている。夜明けを毎日見ている。早期覚醒とかいうやつかもしれないが、寝つきは今までになく良い。不眠傾向がおさまったら、こう振れてくるとは。 困るのは、出勤を控えては…

鮫が怖い

今年はどこにも泳ぎにいかなかった。正直にいうと俺は水が怖い。溺れない程度には泳げるが、大きな水たまりが怖い。もっとはっきり言えば、大きな水たまりにいるであろう大きな水棲生物が怖い。鮫が怖い。 昨夜、久しぶりに鮫の動画をいろいろ見た。やはり…

キンモクセイと平穏

気候がよいからだろうか、頭の中が比較的静かだ。あまり怒ったりせずへこへこしている。努めてではなく、ごく自然に。その代わりというか、仕事以外では返事もしない。店の人には以前よりも礼を言う。夜風がまったくいい感じだ。キンモクセイの匂い。できれ…

宇治川らへんで

忙しくなり、暑さが去ってもスケッチが再開できなかった。きのう、仕事のあと宇治川に寄った。気候は素晴らしかった。いつもスケッチしている場所は、台風の泥と、シーズンなのかやたらに多い釣り人たちとで諦めざるを得なかった。そろそろ別の場所も探さな…

雨の宇治川

雨続きで、洗濯ものが溜まって困る。今日は仕事を早く終えた。その時点では晴れ間が見えた。耐え難い眠気に打ち勝って、いつもの宇治川へ足を運んだ。おれは夜は寝られないくせに、日のあるうちはずっと眠い。平常業務は立ち仕事だが肉体労働ではない。しか…

Insomnia, nightmare, and meaning

さて、夜である。出て行こうか、行くまいか。いずれにせよ、今夜は眠られぬものと覚悟せよ。埴谷雄高Twitter / haniya_yutaka: さて、夜である。出て行こうか、行くまいか。いずれにせよ、今夜 ...夏の現場シーズンが終わり、今日から平日の仕事が始まった。…

suitor to a season (summer)

ずっと付けっぱなしのクーラーを、ふと我慢してみた。俺の部屋は五階だから、風はよく通る。外はそこそこ涼しいようなのだが、室温計が32℃から1ミリも動かない。 俺はいま、エレベーターもない五階に住んでる。一日熱せられた屋根が冷めないのだろう。屋上に…

俺はソイ派

身体の疲れが抜けない。171cm54kgの俺の身体には重作業はいつもぎりぎりだ。激しいのが3日続くと、半日以上寝込む。うちの親方のやり方が、3日働いて1日休むという昔の職人のスタイルだったからかもしれないが。このところ、食事は、いっしょに仕事をしてた…

ただの一日、34回目の

たまたま、行けばやることが方々にあった。汗と泥まみれの日々。ここしばらく、労働しながらあちこち泊まり歩いている。剪定、工作、解体、搬入、掘削、設置…どれも別に上手くはない。俺はひょろひょろで腕力もない。そういうのにほんの少し慣れてるだけだ…

俺の小屋と柵と猛獣

その場で、なぜうまく言い返せないのだろう。そのせいで、そのあと何日も俺は苦しむ。怒り悲しみは身体に悪いし、仕事の邪魔をする。本すら落ち着いて読めやしない。問題 感情は、理性のちっぽけな柵を乗り越えて、俺の小屋を無茶苦茶にする。困る。困るの…

死にゆく鹿のために

くたばる 山の中、不具の鹿分かっていたこと 遅かれ早かれ 潤んだ眼玉が最後に残った虚ろで生臭そうな血走った眼玉そこから開ける視界が何かを見つめる意識がもしも鹿に残されたとしてそこに神秘はあらわれるか哀れな鹿を救い給うか 木の根、土くれもはや伸…