2018年のヴィクトリー・コーヒー

パンパカパーン!

「…発表!発表!! …偉大なる兄弟と党の指導、そして同志のたゆまぬ努力のもと品質が飛躍的に向上!それにともない実質的増産に成功!

…我らが潤沢省の〇〇同志は、本日の定例会見においてヴィクトリー・コーヒーの配給量を来月から90gに、サッカリンは子育て世帯を中心に…」

 

党幹部は"本物の"紅茶に、これまた本物の砂糖を入れて飲んでるらしいぜ?とか、この泥水みたいな合成コーヒーだって今月は95gだったのに…なんて誰も言わない。

 

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部屋の水道の保守点検に立ち会えないので、近くに住む親に頼んだ。近くに住むとはいえ、僕が帰るのは年に2〜3回だ。盆、正月と部屋のカギを無くした時とか。

 

部屋に帰ってみるとよくわからないインスタントコーヒーが置いてあった。有名なアレに似てるけどなんか違うやつ。手持ち無沙汰になると思って買ってきたがすぐ終わった、おまえで飲め、との由。飲んでみるとそれはひどい味で。

安い挽き豆とコーヒーメーカーくらいあると伝えれば良かった。

 

その頃はあまり飲まなかったけれど、実家でコーヒーといったら湯に溶く茶色い粉末のことだった。今日置いてあったのはそれのバッタもんだったけど、本家のは、もうちょっとマシな味であってほしい。

気がつけば食事に制限が多い親たちに何を持っていったものかよく迷っていた。次はコーヒー豆にする。