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フランツ・カフカ・キャッスルランド

入場するなり捕まったり虫扱いされたりする。実質的軟禁型のテーマパーク。


運良くゲートをくぐったそこが見世物小屋の檻の中であったりしなくても、なんとなくあるらしい中心部にはやはりなんとなく辿り着けない。来場者はみな"K"と呼ばれ、慇懃に扱われる。


城壁で囲まれた園内は、よくわからないドアや袋小路だらけで、目玉になるはずの万里の長城はずっと建設中につき無料。

アトラクションの境界ははっきりせず、気がつくとクリア条件ばかりが増えていく。どうやらそれが退場手続きと連動しているらしい。

"Kさんですな?お待ちしてましたよ。ご心配には及びません。これはほんのロールプレイ型のアトラクションでして。それはもうエントリー前よりも安全なくらいで。こんな簡単なアトラクションをお選びになったK様は運が良い!いつもなら長蛇の列、抜かした抜かされたと大賑わいですからね……!"

"Kさんにはエントリーと同時に形式的な被告人となって頂くだけでして。ほんの形式、ロール・プレイ、ロールプレイですよ!…しかしこの訴状にはですね…"


スタッフには門番や伝令の他に火夫や家長、下級官僚や未亡人風のがいて、何かと仄めかしたり気まずかったり、うっかりすると言質取られたりする。


退場手続きは煩瑣を極めるが、スタッフ(なのかどうかもよくわからない奴ら)はどいつもこいつも自分はほんのバイトだからとか、本当の事を言うと、もともと自分もいちKだからここの出かたはよく分からないのだと申し訳なさそうに言う。


噂によれば鳴り物入りでオープンしたものの、そもそも入場が困難すぎて閉園。